FAQ
- 温度応答性ポリマー
- UpCell®
- RepCell®
- HydroCell®
- cellZscope™
- このポリマーが剥がれることはないのですか?
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温度応答性ポリマーが器材表面に共有結合しているので、通常の培養操作において剥がれることはありません。温度処理によって、細胞だけを無傷に回収できます。
- このポリマーを器材表面に固定すると細胞が付着しやすくなりますか?
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いいえ、付着しやすくはなりません。このポリマーは温度処理により無傷に細胞を回収するものなので、このポリマーを固定することにより、通常の培養器材と比べて細胞が付着しやすくなることはありません。
- どうして温度を下げると細胞が剥がれやすくなるのですか?
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このポリマーを固定した培養器材の表面は32℃以下にすることによって、疎水性から親水性へと変化します。器材表面が親水性になることによって、細胞が今まで接着していた足場が消失し、剥がれやすくなります。
- 被固定物の材質に制限はありますか?
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弊社技術ではプラスチックなどの有機物への固定化に現時点では限定されております。有機物でも固定化が不可能なものとして紙類があります。無機物(ガラス)・金属等への固定は可能ですが、技術開発に時間を要します。
- 被固定物の形状に制限はありますか?
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被固定物の形状は問いませんが平面の方が固定化はしやすいです。球面へのポリマーの固定化を依頼される場合は、お時間を少々頂きたいと存じます。
- 温度応答性ポリマーの下限臨界溶解温度である32℃は変えられるのでしょうか?
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温度応答性ポリマーの下限臨海溶解温度は変えられます。詳しい説明は是非弊社までお問い合わせください。
- アクリルアミド残基の細胞に対する毒性影響はないのですか?
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ISO10993に準拠した試験により安全性が証明されております。
- 培養皿は何℃で保管すればいいのですか?
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室温で直射日光を避けて保管してください。
- 何度も繰り返し使用可能ですか?
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繰り返しの使用はお勧めできません。
- 温度応答性ポリマーで固定化した培養皿を使用するにあたって、何か注意することはありますか?
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【細胞播種から翌日まで】
培地は必ず37℃にプレインキュベートしたものをご使用ください。また、培養中は極力32℃以下にしないようご注意ください。物理的な衝撃も避けてください。剥がれやすくなっておりますので、細胞間接着が形成されるまではインキュベータ内に静置されることをお勧めいたします。
【培養中】
長時間の顕微鏡観察などは避けるようにし、温度にご注意ください。
【培地交換時】
37℃にプレインキュベートした培地で交換を行うようにしてください。
- 細胞をシート状に回収する手順を教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- 細胞をシート状に回収する際の留意点を教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- 細胞をシート状に回収するには、UpCell®とCellShifter™が必須なのでしょうか?
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細胞をシート状に回収するには、UpCelll®は必須です。しかし、細胞シートを回収するための支持体はCellShifter™以外に親水性PVDF膜などを代用することができます。その場合は操作性において、若干CellShifter™と異なりますのでご注意ください。
- UpCell®とCellShifter™を使っても、うまく細胞をシート状に回収できない場合はどうしたらいいでしょうか?
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細胞の種類・培養密度・培養日数等によって剥離性が異なります。そのため、これらの条件検討が必要になる場合がございます。条件につきましては、上記Q4,Q5をご参照ください。
- UpCell®を室温に置いて作業していると細胞が剥がれてきてしまいますか?
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すぐには剥がれませんが、UpCell®は32℃以下になると細胞が剥がれやすい表面に変化します。そのため、以下の点に注意してご使用ください。
- 培地交換する際、培地は37℃にプレインキュベートしたものをご使用ください。
- 培地交換中に培地温度が低下しないよう、培地交換時間にご注意ください。(UpCell®を何枚も同時に培地交換しますと最後の方で温度が低下してしまいます。)
- 物理的な衝撃を与えないでください。特に、細胞間の接着が形成されていないような、播種直後の細胞はわずかな衝撃で剥がれることがございます。
- 室温で作業する際(顕微鏡下での観察や試薬添加など)は、市販されているホットプレートなどをお使いいただくと保温したまま作業が可能となります。
- UpCell®インサートを購入したいのですが・・・
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申し訳ございません。インサートタイプは現在、開発中のため販売しておりません。
- 細胞シートを用いた凍結切片やパラフィン包埋切片の作製方法を教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- I型コラーゲンコーティング方法を教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- 細胞をシート状に回収する際、トランスファーの練習用として推奨するゲルを教えてください。
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パンフレットやHP上に掲載されている写真のゲルは、SDS-PAGEで使用する15%アクリルアミドゲルを用いています。7.5%ゼラチンも使用可能です。ただし、アガロースのような粘着性の低いゲルは接着しにくいので、お勧めしません。
- UpCell®を用いたECMコーティング推奨濃度を教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- UpCell®を用いた分化誘導実験実績があれば教えてください。
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詳しくはデータ集をご覧ください。
- UpCell®とRepCell®の違いを教えてください。
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どちらも温度応答性ポリマーを培養器材の底面に固定化してあります。しかし、RepCell®のみ、その底面表面に「グリッド・ウォール」加工を3mm間隔で配置しています。これによりシングル細胞の回収が容易になっているため、例えばフローサイトメトリー解析前の細胞回収用器材として有用です。そのためRepCell®は細胞シート回収用培養器材ではございませんのでご注意ください。
- 剥離した細胞はバラバラ(シングル細胞)になるのですか?
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細胞種や細胞密度によりますが、細胞間の結合が弱い場合は、ピペッティングすることによってバラバラ(シングル細胞)で回収することが可能です。
- 20℃の恒温器がないと剥がれませんか?
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20~25℃の室温に静置することによって、細胞を剥がすことができます。温度が低ければ低いほど剥離の効率が良いというわけではございませんので、ご注意ください。
- ゼラチンやコラーゲンコートすることは可能ですか?
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可能です。その際には37℃でのコーティングをお勧めしております。また、コーティングすることによって、細胞によっては増殖速度が遅くなる場合はございますのでご注意ください。
- どんな細胞をターゲットにしているのですか?
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NIH/3T3・Swiss/3T3等の線維芽細胞、間葉系幹細胞、筋芽細胞、腫瘍細胞等のほどんどの細胞で使用できます。一部の強い接着性を持った細胞は使用できない可能性があります。予めご了承ください。
- 剥がれにくい細胞はどうやって剥がしたらいいですか?
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まずはピペッティングやタッピングなどの物理的な刺激を加えてみてください。それでも剥がれないような、強い接着性をもった細胞に関しましては、希釈したトリプシンやEDTAなどと温度処理の併用をお勧めいたします。
- RepCell®を用いないと、細胞をシングル細胞の状態で回収することはできないのですか?
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UpCell®でも可能です。細胞を低密度に播種し、ピペッティングすることによって細胞をシングルの状態で回収することができます。しかし、グリッド・ウォール加工されたRepCell®の方がシングル細胞の状態で回収することにより適しております。シングル細胞の回収方法として以下の方法を推奨しております。
- 細胞間結合が強い場合
細胞同士が接着しない程度の低密度さで細胞を播種します。播種後24時間ほど培養し、細胞が再び分裂する前に温度処理によって細胞を回収します。 - 細胞間結合が弱い場合
70~80%コンフルエントくらいまで培養後、温度処理によって細胞を遊離させます。塊状の細胞を軽く数回ピペッティングしてシングル細胞にします。
- 細胞間結合が強い場合
- マクロファージなどの培養以外に、どんな使い道がありますか?
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付着性の高い免疫系の細胞培養以外に以下の用途を提案しています。
- ES細胞の胚葉体形成
- 足場非依存性コロニー形成
- スフェロイド培養等
- 神経幹細胞、ガン細胞などの培養。
- 細胞がHydroCell®に付着してしまうのですが・・・
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コラーゲンなどの接着タンパク質の分泌が盛んな細胞は接着してしまう場合はございます。ピペッティングや物理的な刺激を与えるなど試してみてください。
- HydroCell®をもちいた軟寒天コロニーアッセイ代替法について教えてください。
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メチルセルロースを用いたコロニーアッセイについて(パンフレット掲載:NRK細胞、A549細胞を用いた抗ガン剤スクリーニング例)についてお答えします。詳しくはデータ集をご覧ください。
- 低TERの細胞でも測定できますか?
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HUVECなどの30Ω・cm2以下の低TERにも対応しています。