温度応答性ポリマー

温度応答性ポリマーとは

特定の分子構造を持つポリマーは水中で下限臨界溶液温度(Lower Critical Solution temperature, LCST)を有し、ある温度を境にそれより高い温度ではその分子内、或いは分子間の疎水結合が強まりポリマー鎖が凝集し(水中に分散したポリマー鎖が白濁して見えます)、逆に、低い温度ではポリマー鎖が水分子を結合し水和する(水中のポリマーが溶解し水溶液は無色透明となります)相転移挙動を示します。その相転移現象は可逆的であり、多くの分野でスイッチング基剤として注目を浴びております。

ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド

その温度応答性ポリマーの中で、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)は最もよく研究されており、側鎖に親水性部分と疎水性部分両方を持つLCSTが32℃のポリマーです。すなわち、32℃以上の温度ですと側鎖の疎水性部分であるイソプロピル基によって分子内、分子間において疎水結合が強まりポリマー鎖が凝集し、32℃より低い温度ですともう一方の親水性部分のアミド結合と水分子とが結合するため水に溶解します。

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