食道再生上皮シート
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日本では食道がんの90%が扁平上皮がんと診断され、5年相対生存率は男性41%、女性46%と、ともに50%以下です。治療法としては、内視鏡切除手術(ESD)が増加していますが、手術後、食道狭窄※の副作用があります。
食道再生上皮シートは、食道の粘膜層にできた癌を除去した後に起きる創傷治癒の促進に伴う炎症反応と食道狭窄を抑制、防止することを目的としています。東京女子医科大学において実施された臨床研究では、食道上皮の創傷治癒の促進に伴い、炎症反応の抑制、食道狭窄の防止などに良好な効果がみられています。※ 食道狭窄:食道の一部が狭くなった状態。食べ物を飲み込むときの障害や嘔吐などの症状がある。癌、潰瘍の瘢痕などによっておこる。
製品コンセプトと特徴
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近年、初期の食道癌に対しては、内視鏡を用いて病変部を局所的に切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われています。ESDは身体への負担は小さいものの、術後に癌切除部位にしばしば狭窄が生じます。食道狭窄に対してはバルーン拡張術で狭窄部を広げる治療が行われますが、強い痛みを伴う難点があります。また繰り返し生じる狭窄の度にバルーン拡張治療が必要になるため、患者のQOLが低くなってしまう問題があります。このような初期の食道癌治療の問題を解決するために東京女子医科大学で、細胞シートを用いた治療が開発されました。これは患者自身の口の中から採取した組織(口腔粘膜組織)から細胞シートを作製し、癌切除部に貼り付ける治療法です。この治療方法を行うことで、創傷治癒の促進による食道狭窄の防止などの効果が期待できます。
食道再生上皮シートの現状
2016年 | 治験届提出 |
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2017年 | 先駆け審査指定制度の指定 |
2020年 | 追加治験届提出 |
2021年 | 追加治験第1症例目の症例登録 |
2025年 | 製造販売承認申請(予定) |
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